ムスタン王国、ティジ祭り 2014/5月 土井様

ムスタン王国、ティジ祭り 2014/5月 土井様

  • ムスタン王国、ティジ祭り 2014/5月 土井様

「ネパールの奥にある王国!」「滅多に行けない年一度のお祭りの日!」・・こんな言葉に誘われて、「行ってきました!!ムスタン王国へ!」
事前に図書館で借りた本にあった、ローマンタン・ムクティナート・チョルテン等の不思議な響きにも引かれました。
 ジョムスンから始まったトレッキング。いきなり広がったカリ・ガンダギの広大な流れと広い河原。両岸にそそり立つ土色の絶壁の連なり。まるでグランドキャニオン!(実は言ったことがない。)砂と石の道を歩き、角を曲がる度に現れる違った色や違った形の造形。ただ見上げるばかり。次の角を曲がったら、今度はどんなガウディが・・・?と。その面白さに、疲れも忘れて歩きました。「こんな光景を、百年も前に、あの河口慧海さんは、ひとりでどんな思いで見られたのだろうか・・・?」と、小学校の副読本の挿絵で見た、渡河する慧海さんの姿の微かな記憶も・・・。
 一面の砂と石の斜面の中を続く道を行く。その要所に建つチョルテン。本では??だったのが、実物を見て祈りの象徴だと、納得。四面に施されたカラフルな四種の動物の絵。楽しく何度も回ってしまいました。
 そうして、ようやくたどり着いたローマンタンの町をはるかに見下ろす丘からの眺め。緑に包まれた遠くに見えるそこがあのロウマンタン!・・・。忘れられない景色です。
 いよいよ、祭りの日。広場の地べたに座って見た踊り。お腹の底にひびく大きなホルンの音色。踊り手のゆったりした動作は、退屈なほどの反復を繰り返し、そして、あの大きなお面。・・先日、正倉院展で伎楽のお面を見た時、「ルーツだ!」と、思わず心の中で叫んでいました。
 「ブォーン・ブォーン・ブォン・ブォン・ブォン~」思い返すと、あのホルンの音は、今も、耳の奥で鳴ります。しかし、私は、本当に行ったのでしょうか?何だか砂の向こうに消えた幻では・・・?と思う気もするんです。それにしては、いくらでも次から次へと思いだせるのです。親切なガイドさん達のお顔。歩きながら皆さんでホントに楽しげに歌っておられた地元の歌。私たち日本人の口に合うように料理を作って下さった、働き者で陽気なコックさんの笑顔やたくましいサンダル履きの足。日本手ぬぐいとポーターさん達。ご一緒した皆さんとの会話。
 本当にありがとうございました。